アセスメントの結果に基づき、ケアマネージャーはケアプランを作成する。ケアプランを直訳すると、「介護計画」である。ただし、ケアプランは自由に作成できるわけではない。というのも要介護度によって決められた支給額や入所日数を超えた分は、すべて要介護者の自己負担になってしまうからだ。そのためケアプランの作成には、いくつものサービスのなかから必要なものを選択し、過不足なく組み合わせていく技術が必要不可欠となっている。
ケアプラン作成の第1段階がケース目標の設定である。ケース目標とは、要介護者が最終的に到達すべき状態や方向性を示すものであり、現在生じている問題を解決する道筋を表すものだ。そして、ケース目標に基づいて作成されるのが、ケアプラン原案である。
ケアプラン原案は、要介護者や家族からの希望と、かかりつけ医から提出された意見書の内容を反映させて作るのが基本となっている。ただし作成された原案は、ケアマネージャーから要介護者への提案にすぎない。この提案を受け入れて、同意するか否かは利用者やその家族の判断に委ねられている。
たとえば要介護者が食事を作るのが困難だった場合、食事を作るホームヘルパーを頼んだほうがいいとケアマネージャーは考えるかもしれない。しかし、当人が女性だった場合、他人がキッチンに入るのを嫌がることがある。そのため、要介護者がケアマネージャーに希望を言いやすい関係を構築していくことも重要な仕事になっている。